オンコールが大変…と感じる医療関係者はたくさんいます。オンコールの実態やストレスになる原因、ストレスを軽減するための対策などについて解説します。

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オンコールとは?
オンコールとは、医師・看護師などの医療従事者が、急変患者や手術・事故などの緊急時の呼び出しに備えて待機する勤務形態のことです。
オンコール対応は、体力的にも精神的にも負担が大きい働き方です。
オンコールがつらい・寝れない…
オンコールがあることで人によってはプレッシャーがかかったり、リラックスできなくなったりして、熟睡できなくなります。
せっかくの睡眠時間を確保しても寝れないとなると体力を回復できず、その後も体がしんどいまま過ごすことになってしまいます。
医師のオンコール業務の実態
オンコールは医療の質と安全を確保する上で重要ですが、医師にとっては疲労が蓄積しやすく、負担の大きなものです。家族や私生活にも影響を与えるため、大きなストレスがかかります。
例えば、独立行政法人労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」からもそれが読み取れます。
以下は、オンコールの状態別に「疲労感」「睡眠不足感」「健康不安」を感じている割合(%)を表にしたものです。
オンコール回数 | 疲労感(%) | 睡眠不足感(%) | 健康不安(%) |
0回 | 51.4 | 38.2 | 43.2 |
1〜3回 | 63.3 | 46.0 | 50.2 |
4〜6回 | 69.4 | 56.6 | 60.1 |
7〜9回 | 72.2 | 55.6 | 54.5 |
10回以上 | 78.3 | 70.4 | 70.4 |
看護師のオンコール業務の実態
看護師のオンコール業務も重要な役割を担っていますが、負担は大きなものです。
例えば、ある調査では、訪問看護師の81.3%がオンコール業務を精神的に負担と感じ、69.4%が身体的に負担と感じていることが報告されています。(参照:訪問看護師の夜間オンコール業務と負担感および睡眠への影響)
オンコールがストレスになる原因7個
1. いつ呼ばれるかわからない不安感がある
オンコール勤務の最大のストレス要因の一つが、常に「呼び出されるかもしれない」という不安を抱え続けることです。
通常の勤務と異なり、明確な勤務時間の区切りがないため、オフの時間であっても完全にリラックスすることが難しくなります。
いつ呼び出されるか分からない状態が長期間続くと、慢性的なストレスや不安障害を引き起こす可能性があります。
さらに、待機中は常に携帯電話を手元に置いておかなければならず、夜間の睡眠中でも緊急コールに対応する必要がある場合、熟睡することができず、睡眠不足につながることもあります。
2. プライベートが制限される
オンコール待機中は、いつでも仕事に対応できる状態を維持しなければならないため、私生活に多くの制限がかかります。
たとえば、次のような制限が起こります。
・友人や家族との外出で、すぐに職場へ戻れる距離までしかいけない。
・気軽にお酒を楽しめない。
・映画館やスポーツ観戦などで、長時間電話に出られない状況が作れない。
このような制約が続くことで、ストレスが蓄積し、人によってはオンコール勤務そのものへの不満や仕事へのモチベーション低下につながることもあります。
3. 睡眠の質が低下する
オンコール勤務では、深夜に突然呼び出されることがあり、その影響で睡眠の質が大きく低下します。
通常、健康な睡眠には深い眠りと浅い眠りのバランスが重要ですが、オンコール待機中は「いつ電話が鳴るかわからない」という意識が働き、熟睡できなくなります。
さらに、一度目が覚めて仕事をすると、再び眠りに戻るのが難しく、結果的に睡眠不足が慢性化しやすくなります。
睡眠の質が低下すると、翌日の集中力が落ち、ミスが増えるだけでなく、長期的には心身の健康にも悪影響を及ぼします。
4. 突発的な対応へのプレッシャーがある
オンコール業務では、緊急対応が求められることが多く、即座に適切な判断を下さなければならない場面が多々あります。
医療現場では、一刻を争う状況で、ミスが許されないプレッシャーがかかることもあります。
このような突発的な対応が頻繁に発生すると、精神的な疲労が蓄積し、長期的にはバーンアウト(燃え尽き症候群)を引き起こす可能性があります。
5. 報酬と負担のバランスが悪い
オンコール勤務に対して手当が支給される場合もありますが、実際の負担と報酬が釣り合わないと感じることが多々あります。
例えば、24時間待機を求められているにも関わらず、待機時間の賃金が発生しないケースでは、不公平感が生じやすくなります。
また、頻繁に呼び出されると、実質的な労働時間が長くなるにも関わらず、それが適正に評価されない場合、労働者のモチベーション低下につながります。
6. 職場のサポートがない
オンコール勤務がある職場では、サポート体制が不十分だと個々の負担が増え、結果的に大きなストレスにつながります。
例えば、オンコール対応者が少人数しかいない場合、当番の回数が増えて休息を取る機会が減少します。
また、対応後のフォローアップがない職場では、次の日も通常通りの業務をこなさなければならず、慢性的な疲労が蓄積します。
さらに、オンコール対応に関する明確なマニュアルがない場合、対応するスタッフが独自の判断を迫られることが多く、余計なプレッシャーを感じる原因となります。
7. 精神的に孤独
オンコール勤務中は、多くの場合、1人で待機する時間が長くなります。特に夜間対応が求められる場合、相談できる人が限られているため、全ての判断を1人で下さなければならない場面が多くなります。
これが長期間続くと、精神的な孤独感が強まり、メンタルヘルスにも悪影響を与える可能性があります。
また、周囲の人にオンコールの大変さを理解してもらえないと、さらに孤独感が深まり、ストレスが蓄積する要因になります。
オンコール対応の内容
病院のオンコール対応の具体例
・救急患者の受け入れ
・入院患者の急変
・緊急手術や検査
・医療機器・システムのトラブル
・死亡確認
など
訪問看護のオンコール対応の具体例
・患者や家族からの電話相談
・緊急訪問
・医師・ケアマネージャーとの連携
・看取り
・訪問スケジュールの緊急変更
・薬剤や医療機器のトラブル
など
介護施設のオンコール対応の具体例
・入居者の体調急変
・転倒や骨折の対応
・医療処置のトラブル
・急変時の家族連絡
・救急対応の判断
・施設設備の緊急対応
・スタッフ不足時の対応
など
オンコールのストレスを軽減する対策7個
1. 睡眠の質を向上させる環境を作る
オンコール勤務では、睡眠不足や質の低下が大きな問題となります。これを防ぐためには、睡眠環境を整えることが重要です。
例えば、 遮光カーテンを使用し、部屋を暗くすることで眠りの質を向上させることができます。さらに、寝る前にスマートフォンの使用を控え、リラックスできる環境を作ることも重要です。
短時間の仮眠を活用すれば、夜間のオンコール対応後に溜まった疲労を最小限に抑えることができます。
2. 職場と交渉してオンコールの負担を分散する
オンコール対応の頻度が高すぎると、心身への負担が大きくなり、仕事のパフォーマンスも低下します。そのため、職場と交渉し、シフトの見直しや負担の分散を図ることが重要です。
例えば、 チーム内でオンコールの担当をローテーション制にすることで、一人にかかる負担を減らすことができます。
また、待機時間に対する適切な報酬が支払われているかを確認し、 不当に低い場合は上司や人事に相談することも検討すべきです。
オンコール対応の負担が適切に管理されていないと、社員のモチベーション低下や離職率の増加につながる可能性があります。
3. プライベートの時間を確保する
オンコール勤務のストレスを軽減するためには、 仕事以外の時間をしっかり確保し、リフレッシュすることが重要です。
オンコール待機中でも、趣味やリラクゼーションの時間を設けることで、精神的な負担を軽減できます。例えば、家で映画を観る、読書をする、軽い運動をするなど、気分転換できる活動を取り入れることが効果的です。
また、家族や友人との時間を意識的に作ることで、オンコール勤務の孤独感を軽減できます。特に、ストレスが溜まりやすい状況では、 周囲の人とのコミュニケーションが大きな支えとなるため、積極的に会話することを意識しましょう。
4. 事前準備を徹底し、対応時のストレスを減らす
オンコール時のストレスは、突発的な問題に対応しなければならないことから生じるものです。そのため、 事前に対策を講じることで、対応時の負担を大幅に軽減できます。
<やっておくべきこと>
・トラブル対応のマニュアル作成
・必要な連絡先のリスト化
・各内容ごとの必要な対応まとめ
・チーム内での情報共有
・便利なツールやシステムの利用
事前準備がしっかりしていれば、実際に対応が必要になったときでも余裕を持って対処できるため、オンコールのストレスが大きく軽減されるでしょう。
5. メンタルケアを意識する
オンコール勤務によるストレスは、 放置するとメンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、定期的にストレス解消の時間を確保し、適度な運動やリラクゼーションを取り入れることが重要です。また、職場での相談窓口やカウンセリングサービスを活用するのも一つの方法です。
メンタルケアを意識的に行うことで、ストレスを溜め込まず、健康的にオンコール勤務を続けることができます。
6. 緊急対応後の休息をしっかりと取る
オンコール対応後にすぐ通常業務に戻ると、疲労が蓄積しやすくなります。そのため、対応後には短時間でも休息を取り、心身をリセットする時間を設けることが重要です。
例えば、対応後に30分程度の仮眠を取ることで、疲労回復を促すことができます。また、 ストレッチをしたり、リラックスできる音楽を聴くことで、心身のリフレッシュを図ることも効果的です。
仕事が終わった後は、可能な限りリラックスできる環境を整え、十分な休息を取るようにしましょう。 無理に働き続けるよりも、適度に休息を取ることで、結果的に仕事のパフォーマンスが向上します。
7. 「待機時間は仕事の一部」と考え、適切な報酬を求める
オンコール待機中も、 自由に行動できない以上、それは「労働時間」の一部と考えるべき です。待機時間に対する適正な報酬が支払われているかを確認し、 不当に低い場合は職場と交渉することも検討するべき です。
また、オンコールの負担が大きい場合は、手当の増額や、待機時間を考慮したシフト調整を求めることも重要です。
適切な報酬を受け取ることで、仕事へのモチベーションが向上し、ストレスの軽減にもつながります。
オンコール代行を導入するメリット6個
オンコール対応は、外部のサービスを利用することで軽減することができます。オンコール代行を導入する場合のメリットについて説明します。
1. スタッフの負担が軽減する
オンコール業務は、夜間や休日にも対応を求められるため、スタッフの疲労が蓄積しやすい という問題があります。
特に、少人数の職場では特定のスタッフに負担が集中し、離職につながる要因にもなります。
オンコール代行を導入することで、電話対応や緊急訪問の必要が減り、スタッフの休息時間を確保できます。
2. 施設の24時間対応力が強化できる
オンコール代行を導入することで、夜間や休日の対応力を向上させ、患者や利用者の安全性を確保できます。
特に、訪問看護や介護施設では、急な体調変化や医療機器のトラブルが発生することがあり、迅速な対応が求められます。
オンコール代行サービスを活用すると、専門のコールセンターが対応し、必要に応じて適切な判断を行うため、対応の質が安定します。
また、必要な場合のみ看護師や医師に連絡が入るため、不要な呼び出しを防ぐことができるというメリットもあります。結果として、利用者や家族の安心感が向上し、施設や事業所の信頼性向上につながるでしょう。
3. コスト削減と業務の効率化ができる
オンコール業務を自社のスタッフで対応する場合、時間外手当の支給が必要になり、人件費が増加する可能性があります。また、スタッフが疲労により離職してしまうと、新しい人材を採用するためのコストや時間もかかるため、負担がさらに増加します。
オンコール代行を導入することで、必要な対応のみを外部委託し、コストを適正化することが可能です。
例えば、不要な夜間対応を減らし、本当に緊急対応が必要なケースだけを対応することで、ムダなコストを抑えられるという利点があります。
4. スタッフの精神的ストレスが軽減される
オンコール業務は、「いつ呼び出されるかわからない」ストレスが大きいという特徴があります。特に、夜間や休日に突然電話が鳴ることで、精神的な負担が増加し、睡眠の質が低下する という問題が指摘されています。
これは、長期間続くとバーンアウト(燃え尽き症候群)や離職の原因になりやすいです。
オンコール代行を活用することで、スタッフは「呼び出しを気にせずに休める環境」を確保できます。夜間に電話がかかってこないだけで、心身の負担が軽減し、仕事への意欲や集中力も向上するというメリットが見込めます。
5. 採用強化につながる
医療・介護業界では、人手不足が深刻化しており、特に夜間のオンコール対応がある職場は求職者に敬遠されがちです。
「夜間対応あり」「オンコール必須」と記載されていると、求職者が応募を避けるケースが増え、採用が難しくなるという問題があります。
オンコール代行を導入することで、求人時に「夜間対応なし」または「オンコール回数が少ない」と明記できるため、応募数が増えやすくなります。
6. 離職を減らすことができる
既存スタッフにとって、オンコール代行を導入すれば、負担が軽減します。それによって離職率が低下し、人材の定着率が向上するというメリットがあります。
さらに、長期的に人材が安定することで、組織の運営がスムーズになり、職場環境の改善にもつながるでしょう。
また、採用にかかる広告費や手数料が減り、給与や事業投資に資金を使いやすくなります。
オンコール代行サービスならCTI情報センター
オンコール代行の導入には、スタッフの負担軽減・対応力向上・コスト削減・精神的ストレスの軽減・採用のしやすさなど、さまざまなメリットがあります。
特に、医療や介護の現場では、スタッフの働きやすさが質の高いケアにつながるため、オンコール代行の活用は今後ますます重要になるでしょう。
CTI情報センターのオンコール代行には次の特徴があります。
・看護師や薬剤師が100名以上在籍
・コールセンター事業運営が長く、品質が高い
・自治体や医療系の受託実績多数
・システム会社であるため、セキュリティー万全
・最安値水準の料金設定
お試し利用も可能です。
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