介護職をすぐ辞める人の特徴17個!辞める人が多い理由は?

介護職をすぐ辞める人の特徴17個!辞める人が多い理由は?

介護職をすぐ辞める人にはどんな特徴があるのでしょうか。辞める人が多い理由や防ぐ方法についても、統計データ等を参照しながら説明します。

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介護職をすぐ辞める人の割合

公益財団法人 介護労働安定センターが行った「介護労働実態調査」のデータによると、直前の仕事の勤続年数として以下の内容が書かれています。

直前の仕事の内容 勤続年数3~4カ月以下
全 体 3.4%
介護関係の仕事(訪問系) 2.2%
介護関係の仕事(通所系) 3.5%
介護関係の仕事(施設系) 4.6%
介護関係の仕事(その他) 3.7%
介護以外の福祉関係の仕事 2.6%
医療関係の仕事 2.9%
介護・福祉・医療関係以外の仕事 3.6%

このデータをもとに考えると、介護職をすぐ辞める人は20〜40人に1人くらいの割合です。

介護職をすぐ辞める人の特徴17個

1. 理想の介護と現場の差に失望しやすい

「一人ひとりに寄り添った介護がしたい」という理想を強く持つ人ほど、時間や人員に余裕のない現場とのギャップに失望することがあります

介護現場では身体介助だけでなく、記録、清掃、会議、家族対応なども必要です。

思い描いた仕事と違うと感じたとき、現実的な工夫を考える前に「この職場では良い介護ができない」と判断すると、早期離職につながりやすくなります。

2. 仕事内容や職場環境を調べずに入職する

給与や自宅からの距離だけで職場を選び、利用者の要介護度、夜勤回数、人員配置、教育方法、介護方針まで確認しない人は、入職後にミスマッチを感じやすくなります

同じ介護職が働く現場でも、入所型・通所型・訪問型で仕事内容は大きく異なります。

見学や面接で具体的な働き方を確認せず、「介護の仕事ならどこも同じ」と考えて入職すると、想定外の負担から退職を選びやすくなります。

種類 概要 主な職場例 働き方の特徴
入所型 利用者が施設で生活し、24時間体制で介護を受ける 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護付き有料老人ホーム、グループホーム 食事・入浴・排泄・移乗などの身体介護が中心。早番・遅番・夜勤がある職場が多い
通所型 利用者が自宅から施設へ通い、日中に介護や機能訓練を受ける デイサービス、デイケア 日中勤務が中心。送迎、入浴介助、レクリエーション、食事介助などを行う
訪問型 介護職が利用者の自宅を訪れ、必要な介護や生活支援を行う 訪問介護事業所、定期巡回・随時対応型訪問介護看護 基本的に一人で利用者宅を訪問。身体介護や掃除・調理などの生活援助を行う

3. 職場の人間関係に強く影響される

介護は利用者の状態や対応方法を職員同士で共有し、チームで進める仕事です。そのため、人間関係が悪い職場では、一般的な仕事以上に日々の業務へ影響が及びます。

同僚の言い方や態度を必要以上に気にする人、苦手な相手がいると仕事全体まで嫌になる人は、早期離職に傾きやすいでしょう

ただし、明らかな嫌がらせやハラスメントまで本人の忍耐力で解決する必要はありません。

4. 厳しい指導やハラスメントを抱え込む

上司や先輩から強い口調で注意されても、誰にも相談せず我慢する人は、精神的な負担が蓄積しやすくなります。

「新人だから耐えるべき」「相談すると評価が下がる」と考え、一人で抱え込むうちに、出勤そのものが苦痛になるケースもあります。

通常の業務指導と、人格を否定する言動や威圧的な行為は別物です。記録を残し、管理者や法人窓口などへ早めに相談する姿勢が必要です。

5. 曖昧な指示に強いストレスを感じる

利用者の状態は日々変化するため、介護では状況に応じた判断が求められます。

しかし、上司によって指示が違う、質問しても明確な回答がない、職員ごとに介助方法が異なる職場では、新人ほど混乱します。

決められた正解がないと動けない人や、曖昧な状況を強い不安として受け止める人は、仕事への自信を失いやすくなります。確認事項を整理し、具体的に質問する習慣が重要です。

6. 分からないことを質問できない

分からないことを質問せず、自己判断で仕事を進めてしまう人も早期離職しやすい傾向があります。

介護では、利用者ごとの注意点や禁止事項、移乗方法、服薬、食事形態など、確認しなければ事故につながる情報が少なくありません。

質問を遠慮するとミスが増え、さらに質問しづらくなる悪循環が生まれます。新人のうちは、曖昧なまま進めるより、確認を繰り返すことが安全な対応です。

7. 職場の介護方針との違いを受け入れられない

自分なりの介護観を持つことは大切ですが、自分の方法だけが正しいと考える人は、職場との衝突が増えやすくなります。

施設には利用者の安全、人員、時間、設備、介護計画などを踏まえた共通ルールがあります。納得できない方針があったとき、背景を確認したり改善案を出したりせず、すぐに「間違った施設だ」と判断すると定着しにくくなります。

8. 人手不足でも仕事を抱え込んでしまう

責任感が強く、頼まれた仕事を断れない人は、人手不足の職場で業務を抱え込みやすくなります

欠勤者の穴埋め、記録の持ち越し、休憩中の対応などを引き受け続けると、短期間でも心身が消耗します。

「利用者に迷惑をかけられない」と無理を続けるだけでなく、担当業務の優先順位や応援の必要性を上司へ伝えることが重要です。働き続けるための相談は、責任放棄ではありません。

9. 給与と仕事量の不釣り合いに納得できない

身体介助や夜勤、事故防止、家族対応などの責任に対し、給与が見合っていないと感じる人は、早い段階から転職を考えやすくなります。

手取り額だけでなく、夜勤手当、資格手当、賞与、昇給、処遇改善加算の配分まで確認しないまま入職すると、想定との差が生じます。

給与を重視すること自体は問題ではありません。入職前に総収入と業務範囲を照らし合わせることが大切です。

10. 不規則勤務や夜勤に生活を合わせにくい

早番、日勤、遅番、夜勤が混在する職場では、睡眠や食事の時間が安定しにくくなります。

生活リズムの変化に弱い人、夜勤後も家事や育児で十分に休めない人は、疲労を回復できず、短期間で勤務継続が難しくなることがあります

採用条件に「夜勤あり」と書かれていても、回数や休憩、夜勤明けの扱いは施設ごとに異なります。面接時に具体的な勤務例を確認する必要があります。

11. 休憩や有給休暇を後回しにする

忙しい時間帯に休憩へ入りにくくても、周囲へ声をかけず働き続ける人は疲労をためやすくなります。また、「新人だから有給休暇を申請しにくい」と遠慮し続けると、仕事と私生活のバランスが崩れます。

休暇取得が難しい職場では個人の工夫だけで解決できないため、管理者への相談も必要です。無理を美徳とせず、継続して働ける休み方を身につけることが重要です。

12. 身体介助への準備ができていない

介護職は、移乗、体位変換、入浴介助、排泄介助などで腰や肩に負担がかかります。体力だけに頼った介助を続ける人や、福祉用具の使い方を十分に学ばない人は、腰痛や疲労によって仕事を続けにくくなります

体格が大きいことや力が強いことだけでは、安全な介助はできません。ボディメカニクス、複数人介助、リフトなどを活用し、無理な介助を断る判断も必要です。

13. 仕事の感情を私生活まで引きずる

利用者から拒否された、家族から厳しい意見を受けた、思うようなケアができなかったといった出来事を、勤務後も考え続ける人は精神的に消耗しやすくなります。

利用者の人生に深く関わる仕事だからこそ、すべてを自分の責任として抱えないことが大切です。

同僚との振り返り、記録による整理、休日の休息などを通じ、仕事と私生活を切り替える方法を持つ必要があります。

14. 事故や判断ミスへの不安が強すぎる

介護では転倒、誤嚥、服薬ミス、急変などのリスクがあるため、一定の緊張感は必要です。

しかし、「何か起きたらすべて自分の責任になる」と考え続ける人は、勤務のたびに強い不安を感じます。特に夜勤や一人で利用者宅を訪問する仕事では、不安が増えやすいでしょう。

緊急時の連絡手順や医療行為との境界を学び、個人ではなく組織で対応する意識を持つことが大切です。

15. 短期間で成長や昇進の結果を求める

入職してすぐに評価や昇給、役職への登用を求める人は、期待した結果が得られないと転職を考えやすくなります。

介護職の成長は、介助技術だけでなく、認知症対応、記録、家族支援、多職種連携など、複数の経験を積み重ねて表れるものです。

一方で、研修制度や評価基準が不明確な職場にも問題があります。資格取得支援や昇格条件を入職前に確認しておくことが大切です。

16. ほかの職場と比較して気持ちが揺れやすい

入職後も求人サイトを頻繁に確認し、少しでも給与や休日の条件が良い職場を見つけると転職したくなる人は、定着しにくい傾向があります。

介護業界は職場によって手当や勤務形態が異なるため、より良い条件を探すこと自体は不自然ではありません。

ただし、基本給だけで判断すると、実際の人員配置、夜勤負担、教育体制、人間関係などで新たなミスマッチが起こる可能性があります。

17. 育児や家族介護との両立条件を確認していない

子どもの送迎、急な発熱、家族の通院付き添いなどがある人は、勤務変更や休暇取得のしやすさを確認せず入職すると、早期に継続が難しくなる場合があります

「制度がある」だけでなく、実際に利用されているか、代替職員を確保できるかが重要です。

面接では、子育て中の職員数、急な休みへの対応、夜勤免除や短時間勤務の実績などを具体的に確認する必要があります。

介護職を辞める人の理由

公益財団法人介護労働安定センターが行った令和6年度「介護労働実態調査」の結果をもとに理由を説明します。

具体的な理由は以下の割合でした。数千人以上が回答した統計(複数回答可)です。

辞めた理由 割合
職場の人間関係に問題があったため 24.7%
他に良い仕事・職場があったため 18.5%
勤務先の事業理念や運営のあり方に不満があったため 17.6%
収入が少なかったため 16.3%
自分の将来の見込みが立たなかったため 14.2%
結婚・妊娠・出産・育児のため 12.3%
新しい資格を取ったから 9.4%
人員整理・勧奨退職・法人解散・事業不振等のため 7.3%
勤務先に仕事上の悩み事の相談ができなかったため 6.7%
自分に向かない仕事だったため 6.3%
家族の介護・看護のため 3.7%
病気・高齢のため 3.3%
カスタマー・ハラスメントがあったため 3.0%
家族の転職・転勤、又は事業所の移転のため 3.0%
定年・雇用契約の満了のため 2.7%
その他 12.3%
無回答 3.7%

介護職の離職は、個人の適性や家庭事情だけでなく、職場環境や組織運営に大きく左右されることが分かります

特に、人間関係、上司への相談のしにくさ、事業方針への不満など、日常的なコミュニケーションやマネジメント上の問題が離職につながりやすい傾向です。

また、待遇や将来性への不安から、より条件の良い職場へ移るケースも少なくありません。

離職防止には、給与改善だけでなく、相談体制の整備、納得感のある評価、キャリア形成の支援、職員同士が協力しやすい職場づくりを総合的に進める必要があります。

介護職の早期離職を防ぐ方法7個

1. 入職前に仕事内容と勤務条件を詳しく伝える

早期離職を防ぐには、採用段階で仕事内容や勤務条件を具体的に伝え、入職後のギャップを減らすことが重要です。

給与や休日などの良い面だけでなく、身体介護の割合、夜勤回数、残業、利用者の要介護度まで説明しましょう。

介護職は、入所型・通所型・訪問型によって業務内容や働き方が大きく異なります。

職場見学や体験勤務を取り入れ、実際の雰囲気や忙しさを確認してもらうことで、「想像していた仕事と違う」という理由による退職を防ぎやすくなります。

入職前に伝える項目 内容の具体例
仕事内容 入浴介助、排泄介助、記録、送迎など
勤務形態 早番、遅番、夜勤、土日勤務
利用者の状況 要介護度、認知症のある利用者の割合
職場環境 職員数、教育方法、休憩の取り方
待遇 基本給、手当、残業代、賞与

2. 新人ごとに指導担当者を決める

新人が安心して仕事を覚えられるよう、入職後は指導担当者を明確に決めましょう

勤務するたびに教える職員が変わると、介助方法や記録のルールについて異なる説明を受け、混乱しやすくなります。

指導担当者が習得状況を把握し、段階的に業務を教えることで、新人の不安を軽減できます。ただし、一人の担当者に教育を任せきりにすると負担が集中します。

チーム全体で指導内容を共有し、担当者が不在のときでも同じ方針で教えられる体制を整えることが大切です。

<指導体制のポイント>
・新人一人につき主担当者を一人決める
・指導内容をチェックシートで共有する
・質問や相談の時間を確保する
・指導担当者以外にも相談できる人を決める
・担当者との相性が悪い場合は変更を検討する

3. 業務を段階的に任せる

人手不足だからといって、入職直後の職員に多くの業務を任せると、不安や疲労が急激に高まります。

新人は利用者の名前や状態、施設内のルールを覚えるだけでも大きな負担を感じます。最初から一人で身体介助や夜勤を担当させるのではなく、見学、先輩との共同対応、見守り付きの実施、単独対応という順番で進めましょう

経験者であっても、以前の職場とは介護方針や使用する機器が異なります。本人の経験年数だけで判断せず、実際の習得状況を確認しながら担当業務を増やすことが重要です。

段階 任せる内容
第1段階 業務の見学、利用者情報の確認
第2段階 先輩職員と一緒に介助する
第3段階 先輩の見守りのもとで対応する
第4段階 一部の業務を一人で担当する
第5段階 夜勤や緊急対応を含めて独り立ちする

4. 定期面談で悩みを早めに把握する

早期離職を防ぐには、新人が退職を決断する前に、不安や不満を把握する必要があります

新人は「忙しい上司に相談しにくい」「弱音を吐くと評価が下がる」と考え、悩みを抱え込むことがあります。

入職後1週間、1か月、3か月などの時期に面談を行い、仕事内容、人間関係、勤務時間、体調について具体的に確認しましょう。

「困っていることはあるか」と聞くだけでなく、質問項目を決めておくと本音を引き出しやすくなります。直属の上司以外にも相談できる窓口を設けることも効果的です。

質問分野 面談での質問例
仕事内容 難しいと感じる業務はあるか
教育 教え方や指示に違いはないか
人間関係 話しかけにくい職員はいないか
勤務 夜勤やシフトに無理はないか
体調 腰痛や睡眠不足が起きていないか
将来 今後覚えたい仕事や取得したい資格はあるか

5. 人間関係と指導方法を改善する

介護職の離職を防ぐには、新人本人を支援するだけでなく、既存職員の接し方や指導方法も見直す必要があります

人前で強く叱る、質問を無視する、職員によって態度を変えるといった行為が続けば、新人は職場に居場所がないと感じます。

ミスを注意するときは人格を否定せず、問題となった行動と改善方法を具体的に伝えましょう。また、ベテラン職員が自分の経験を基準にし、新人へ過度な要求をしないことも大切です。

管理者が現場の会話や指導状況を把握し、問題を放置しない姿勢を示す必要があります。

NG指導 改善後の指導
「何度言えば分かるの」 「この手順をもう一度確認しましょう」
「向いていない」 「この部分を練習すると改善できます」
人前で強く叱る 人の少ない場所で個別に伝える
教える人ごとに説明が違う 手順書やマニュアルを統一する
質問を後回しにする 質問できる時間をあらかじめ設ける

6. 業務量と人員配置を見直す

研修や面談を充実させても、休憩が取れず、残業や休日出勤が続く職場では、介護職の定着は難しくなります。

管理者は職員の努力だけに頼らず、時間帯ごとの業務量と人員配置を確認しましょう。食事や入浴など業務が集中する時間に職員を増やすほか、記録の電子化、介護機器の導入、会議や書類の削減も有効です。

急な欠勤が出た場合の応援体制を決め、特定の職員に負担が偏らないようにします。新人が無理なく仕事を覚えられる余裕を確保することが、事故防止と早期離職の両方に役立ちます。

<負担軽減につながる取り組み>
・忙しい時間帯に職員を重点配置する
・記録をタブレットや音声入力で効率化する
・移乗用リフトやスライディングボードを導入する
・不要な会議や重複した書類を減らす
・欠勤時の応援職員をあらかじめ決める
・新人を通常の人員数に含めない期間を設ける

7.キャリアと評価基準を具体的に示す

介護職が長く働くためには、仕事を続けた先にどのような成長や待遇改善があるのかを示すことが重要です

資格を取得しても給与や役割が変わらず、評価基準も分からない職場では、将来に希望を持ちにくくなります。

介護福祉士やケアマネジャーの資格取得支援、リーダーや管理職への昇進条件、資格手当や昇給の基準を明確にしましょう。

また、全員が管理職を希望するとは限りません。認知症ケア、看取り、レクリエーションなど、現場の専門性を高めるキャリアも用意し、本人の希望に合った成長を支援することが大切です。

キャリアの方向性 支援内容の例
資格を取得する 受験費用の補助、研修時間の確保
リーダーを目指す 業務管理や新人指導の研修
管理職を目指す マネジメントや労務管理の研修
専門性を高める 認知症ケア、看取り、口腔ケア研修
現場で長く働く 経験や技術に応じた評価・昇給制度

まとめ

介護職をすぐ辞める人には、仕事内容への理解不足、理想と現実のギャップ、悩みを抱え込みやすいといった傾向があります。

ただし、早期離職は本人の性格や適性だけで決まるものではなく、人間関係、教育体制、業務量、待遇、施設方針など、職場環境も大きく影響します。

これから介護職を目指す人は、入職前に仕事内容や勤務条件をよく確認することが大切です。現在働いている人は、無理を重ねる前に周囲へ相談しましょう。

また、施設側も職員の変化を早めに把握し、相談しやすい環境や段階的な教育体制を整えることが、定着率の向上につながります。

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