訪問看護のオンコール内容と実際!きつい・ストレス・翌日

訪問看護のオンコール内容と実際!きつい・ストレス・翌日

訪問看護のオンコールの仕事内容・手当・負担の実態などについて詳しく解説します。オンコール業務の理解に役立ててください。

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訪問看護のオンコールとは?

訪問看護のオンコールとは、夜間や休日などの緊急時に、看護師が自宅で待機し、利用者や家族からの電話に対応する勤務形態です。必要に応じて緊急訪問も行います。

訪問看護のオンコール内容

主なオンコール内容と対応方法は以下のとおりです。

電話の内容例 主な症状・状況 対応方法
発熱、呼吸苦などの体調不良 38℃以上の発熱、呼吸困難、脈の異常など 医師へ報告し、必要に応じて訪問する。判断に迷う場合は訪問優先。
点滴トラブル(漏れ、痛み、針抜け等) 針が外れた、液漏れ、刺入部の痛み・腫れなど 再刺入・交換などのため訪問対応。感染防止に注意。
排便・排尿の異常、カテーテルトラブル 尿が出ない、便秘、導尿カテーテルの詰まり等 状況確認後、必要時に訪問処置。清潔操作・指導も行う。
終末期における苦痛、不安の訴え 呼吸困難、せん妄、不安による混乱など 電話で安心感を与え、必要に応じて訪問する。家族の精神ケア対応。
家族からの相談・確認 服薬方法やケア方法への疑問 電話で説明、必要時には翌日訪問。
明確な症状はないが「なんとなく不安」 体調の変化はないが不安感が強い 傾聴と安心感の提供、訪問は慎重に判断。

訪問看護のオンコールの実際

多くの訪問看護事業所がオンコールに対応しています。厚生労働省の「訪問看護」資料によると、24時間連絡でき、緊急時は訪問できる体制にある事業所の数は右肩上がりに増え続けるとともに、割合も高くなっています。

令和4年時点で86%の訪問看護事業所がオンコールに対応しています。


引用元:厚生労働省 訪問看護

訪問看護のオンコール回数

訪問看護の1ヶ月のオンコール対応回数は、日本看護協会がまとめた調査資料によると、「4回以下」「5〜9回」「10〜14回」の割合が多くなっています。ただ、50回以上の事業所も8.6%あります。

回数区分 割合(%)
0回 3.9
4回以下 17.6
5〜9回 17.9
10〜14回 15.3
15〜19回 9.7
20〜24回 9.6
25〜29回 3.8
30〜39回 6.9
40〜49回 3.0
50回以上 8.6
無回答 3.6

同じ調査資料からのデータですが、1ヶ月で緊急訪問した回数は「4回以下」「5〜9回」が多くなっています

回数 割合(%)
0回 8.2
4回以下 32.8
5〜9回 22.5
10〜14回 13.1
15〜19回 6.8
20〜24回 5.0
25〜29回 2.6
30〜39回 3.2
40〜49回 1.5
50回以上 1.6
無回答 2.6

参考:2024年度 診療報酬・介護報酬改定等に向けた訪問看護実態調査

訪問看護のオンコール勤務頻度

訪問看護でオンコール勤務を行う頻度は、1ヶ月で4〜8回が目安です。当番制やシフトで勤務日が決まります

看護職員のオンコール体制の人数ですが、以下のように1人で対応するところが多くなっています。

オンコール体制 割合(%)
1人の看護職員が対応 75.3
2人以上の看護職員が対応 23.4
その他 1.3
無回答 0.1

参考:2024年度 診療報酬・介護報酬改定等に向けた訪問看護実態調査

オンコールが2日以上連続になることは?

オンコール勤務が2日以上連続になることもあります。2日以上連続すること自体が法的に禁止されているわけではありませんが、心身の負担が大きく、過重労働や看護の質の低下につながるおそれがあります。

実際には、連続2〜3日程度までを限度とする事業所が多いでしょう。

あまりにオンコール勤務日数が多い、連続日数が多い場合は、勤務間インターバルを確保するなど、働き方に配慮することが求められます。

訪問看護のオンコール手当相場

訪問看護のオンコール待機手当の相場金額は、1回あたり1,000〜3,000円です。調査データによると、第1担当者の待機手当は以下のとおりです。

金額 割合(%)
1,000円未満 6.6%
1,000円〜2,000円未満 34.2%
2,000円〜3,000円未満 31.0%
3,000円〜4,000円未満 10.1%
4,000円〜5,000円未満 3.8%
5,000円以上 4.1%
設定なし 3.2%
その他 4.4%
未回答 2.5%

緊急訪問した場合の報酬については、96.2%の事業所が「あり」と回答し、支払方法は「時給」が61.3%、「定額手当」が27.6%、「その他」が9.3%でした。定額の料金は以下の割合です。

定額の料金 割合(%)
1,000円〜2,000円未満 12.9%
2,000円〜3,000円未満 9.9%
3,000円〜4,000円未満 16.8%
4,000円〜5,000円未満 13.9%
5,000円以上 28.7%
未回答 17.8%

参照:訪問看護ステーションにおける24時間対応体制に関する調査研究事業報告書

訪問看護のオンコール勤務は労働基準法上どうなる?

オンコールの待機時間は、基本的に労働時間にカウントされません

厚生労働省では、「労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれている時間であり、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間」としていますが、オンコールの待機はそれに該当しないからです。

ただ、待機時間中の行動が厳しく制限されている、業務命令が行われることがあるなどの場合には労働時間に当たる可能性があります。

判例でもケースバイケースとなっており、個別具体的に判断する必要があります。

訪問看護のオンコールマニュアル

以下に基本的なオンコールマニュアルの項目と内容をまとめましたので参考にしてください。

区分 内容
待機体制 スマホ・連絡手段を保持し、緊急対応に備えて自宅などで待機する
電話対応手順 ・受電時に落ち着いて内容を聞き取り
・氏名、症状、既往歴を確認
緊急度の判断 ・電話のみで対応可能か
・訪問が必要か(時間帯・症状の重篤度で判断)
訪問が必要なケース 発熱、呼吸困難、出血、意識障害、薬の誤投与など
訪問時の持ち物 ・医療器具
・薬剤
・記録ツール
・緊急連絡先メモ等
記録・報告 ・電話対応、訪問後の対応記録は即時入力
・上長や医師へ報告が必要な場合は行う
連携体制 医師・管理者と常に連携できる体制を整える
手当の支給 待機手当+出動手当(事業所により異なる)
スタッフのケア ・連続オンコールの回避
・ストレス対策(振休取得・相談体制)

電話対応は冷静・丁寧に、利用者や家族の不安を取り除く姿勢が重要です。もし医療判断に迷った場合は医師・上司へ必ず相談しましょう。

そして記録は「いつ・誰が・どのように対応したか」を正確に書きましょう。

訪問看護のオンコールは看護師以外でもできる?

2024年の介護報酬改定により、条件付きで看護師以外でもオンコール対応ができるようになりました。

ただし、
・看護師以外が対応するときのマニュアルが整備されていること
・緊急時に看護師等が訪問看護の必要性を迅速に判断できる体制が整備されていること
などが条件です。

訪問看護のオンコールがきつい・ストレス…

訪問看護のオンコールが「きつい」「ストレス」と感じる方は多くいます。夜間や休日でも急な呼び出しに備えて常に緊張感を持ち続けなければならないからです。

実際に出動がなくても電話対応の可能性があるため、ゆっくりと休むことができず、プライベートとの境界が曖昧になります

責任の重さや緊急対応のプレッシャーがストレスの要因です。

訪問看護のオンコールの過ごし方

訪問看護のオンコール時の過ごし方は、自宅などで待機しながら、いつでも電話や出動に対応できる状態を保つことが基本です。以下のようなポイントがあります。

項目 内容
待機場所 基本的に自宅(近所での買い物など、すぐ対応できる範囲は可)。
連絡手段 オンコール用携帯電話を常時携帯。
音量・電池残量などを確認しておく。
対応準備 記録用紙、訪問バッグ、移動手段(車など)をあらかじめ準備。
食事・入浴 電話にすぐ出られる環境であれば可。
長時間の入浴などは避ける。
睡眠 就寝中でも着信に気づけるよう配慮(枕元に携帯を置くなど)
行動制限目安 飲酒や遠方外出、長時間の運転など、対応に支障をきたす行為は避ける

訪問看護のオンコールの翌日は?

訪問看護のオンコール勤務の翌日は、通常勤務としている事業所もあれば、休みとしている事業所もあります。

また、勤務体制や対応回数に応じて調整が入る場合もあります。

オンコール時にほとんど寝られない状態だと翌日の勤務は身体的に辛く、業務にも支障が出かねません。翌日の勤務については考慮が必要です。

訪問看護のオンコールは子育てしながらできる?

訪問看護のオンコールは子育てと両立が可能な場合もありますが、慎重な職場選びや支援体制の確認が必要です。

以下にポイントをまとめます。

項目 内容
両立しやすい条件 ・電話回数が少ない
・夜間出動が少ない
・出動があってもペア体制や支援あり
両立が難しい条件 ・頻繁な夜間出動がある
・急な対応に家族の協力が得られない
・勤務後の配慮がない
支援制度があると安心 ・オンコール免除制度やローテーション調整
・代替保育の制度や緊急預かり支援

幼い子どもがいる場合、体調を崩したときとオンコールが重なると難しい状況が多くなります。体調を崩した場合に、預け先があるか、親の協力が得られるかなど家庭の状況も合わせて考える必要があります。

訪問看護のオンコール勤務に向いている人の特徴

<向いている人の特徴>
・冷静な判断ができる人
・夜間や休日の対応に柔軟な人
・一人での対応に自信がある人
・責任感が強い人
・コミュニケーション能力が高い人

訪問看護のオンコールでは、突然の連絡に落ち着いて対応し、必要に応じて緊急訪問も行います。限られた情報の中で判断を求められるため、冷静さと臨機応変な対応力が必要です。

また、夜間や休日の勤務に支障がない生活環境も大切です。一人で判断・行動する場面が多いため、責任感や自己管理力も求められます。

さらに、電話口でご家族や利用者に安心感を与えるコミュニケーション能力も重要な資質です。

訪問看護のオンコール勤務に向いていない人の特徴

<向いていない人の特徴>
・緊急対応に強い不安がある人
・夜間や休日の勤務が難しい人
・一人で判断することに抵抗がある人
・オンとオフの切り替えが苦手な人
・ストレスを溜め込みやすい人

訪問看護のオンコールは突発的な対応が求められるため、緊急時に過度な不安を感じる人には負担が大きくなります。また、夜間や休日の呼び出しに対応できない家庭環境や生活リズムの人も不向きです。

現場では看護師が単独で判断・行動することが多いため、常に誰かと相談して動きたいタイプの人にはストレスになりやすいです。

さらに、勤務時間外でも心が休まらない人や、不安をうまく発散できない人は心身の疲弊につながる可能性があります。

訪問看護のオンコールの負担を軽減する方法6個

1. オンコール代行サービスを活用する

看護師の負担を軽減するために、夜間や休日の一次対応を「オンコール代行サービス」に委託する方法があります。

代行業者は看護師などの資格を持つスタッフが電話対応を行い、緊急性が高いと判断された場合にのみ、実際の担当看護師へ引き継ぎます。

これにより、すべての電話に看護師が即時対応する必要がなくなり、夜間の精神的なプレッシャーが大きく軽減されます

ただし、介護保険制度上の加算要件との関係や、対応の質を維持するための連携体制の整備が不可欠です。

2. オンコール手当を充実化させる

金銭的報酬が明確で適正に設定されていれば、オンコールへの納得感が高まり負担感は和らぎます

基本手当に加え、実際に出動した場合の追加手当を設定することで、業務量に見合った報酬が得られます。

給与体系にオンコールを組み込むことで、看護師が「やらされている」感覚を軽減できます。評価制度としても位置付け、オンコールの回数に応じたインセンティブを設けるのも有効です。

3. 勤務スケジュールを調整する

オンコール勤務が複数日連続すると、心身に大きな負担がかかります。そのため、スケジュール管理を徹底し、2日以上連続してオンコール担当にならないよう調整できると負担は楽になります

事業所内で公平に分担し、シフトの見直しやスタッフ増員によって負担が特定の人に偏らないようにすることが、離職防止や職場定着にもつながります。特に小規模な事業所では勤務表の作成段階で工夫が求められます。

4. 電話対応マニュアルを整備・共有する

電話対応に対する不安やストレスを減らすには、対応マニュアルの整備が効果的です。

症状別の判断基準や緊急性の目安、医師への報告ライン、訪問の要否判断フローなどを文書化し、誰が担当しても一定の基準で対応できるようにします。

これにより、経験の浅い看護師も迷わず対応でき、心理的負担が軽減されます。加えて、事前にロールプレイングを実施するなどの研修も有効です。

5. ICT機器(スマホ・チャット)を活用する

オンコール中の情報共有や判断の補助には、ICT機器の活用が役立ちます。例えば、スマートフォンのチャット機能や電子カルテ連携アプリを利用すれば、訪問中でなくても情報の確認やチーム内相談が可能になります。

状況によっては他のスタッフとリアルタイムで連絡を取りながら対応できるため、一人で悩むことが減り、孤独感やプレッシャーが軽減されます。

デジタルツールの整備は業務効率にもつながります。

6. オンコール翌日の勤務を調整する

オンコール勤務後の疲労を考慮し、翌日は休みまたは時短勤務にする制度を設けることで、回復時間を確保できます

特に深夜対応が発生した場合は、睡眠不足や集中力の低下によるミスのリスクもあるため、休養の確保は安全面からも重要です。

オンコール後の勤務に柔軟性を持たせることで、スタッフの満足度や継続勤務意欲も向上し、組織全体のパフォーマンスにも好影響をもたらします。

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訪問看護のオンコールは、専門的な判断力と対応力が求められる重要な業務です。ただ、仕事の内容としては身体的・精神的な負担があり、中には体調を崩してしまう方もいます。

オンコールを外部に委託する場合は、当社CTI情報センターのサービスをご検討ください

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